マレーシアにトーマンを釣りに行ったお話①
トーマンという魚をご存知ですか?
ジャイアントスネークヘッドとも呼ばれる、東南アジアに分布するライギョの一種です。
暴力的なまでのファイトで特にマレーシアでは近年人気に火がついているターゲット。
地元の釣りチームも数多く存在するようです。
この「怪魚」を一度は釣っておきたいという願望が生まれ、
ネットで調べてみると、
バッシンヘブンさんという海外の釣りツアーを専門にしている業者に辿り着きました。
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どうやらマレーシアにおけるトーマンフィッシング環境は、クアラルンプールから車で北に4〜5時間走ったところにポンドが点在しているようです。
「よし、マレーシアに行こう」
2019年冬。洞爺湖で散々ボウズをくらい、スキンヘッドになっていた私が決断を下すのには、さほど時間はかかりませんでした。
バッシンヘブンさんとはメールでのやりとりが中心でしたが、対応が非常にスムーズで丁寧な印象です。
必要なタックルやルアーなど、ひとしきり伺い購入。
メインはディープクランク、スピナーベイト、フロッグです。
ラインはPE2〜3号。リーダーは40〜60lbを勧められました。
北海道でのショアジギングでもリーダーは20lb前後を好んで使用する私にとって、初めてのヘビータックルに胸が踊ります。
そんなこんなで2019年5月の頭、
ひとりマレーシアに旅立つのでした。
約7時間半のフライトの末、マレーシアに到着
クアラルンプール国際空港で現地のガイドと合流し、約4〜5時間のドライブ。
大移動です。
到着したのはマレーシア北部のゲリーという町。
ここを拠点にトーマンの魚影が濃いポンドを目指します。
到着したのは夜遅かったので、すぐにチェックインし、翌朝に備えます。
トーマンフィッシングのメインエリアはいくつかあって、
■ロイヤルブラム
■アイルガンダー
■テメンゴール
などが良く選ばれているようです。
僕はアイルガンダーとテメンゴールの2か所でチャレンジすることになりました。
翌朝。
早朝ホテルを出発して簡単な朝食をとり
車で1時間ほど走れば目的地に到着です。
うーん、幻想的。
まだ見ぬ怪魚の姿に期待を膨らませ小型のエンジンボートに乗船します。
ボートを走らせ朽木が立つポイントやワンドなどを目指すのですが、トーマンの釣り方は僕の想像を遥かに越えた難易度でした。
ボイル打ちです。
トーマンは肺呼吸とエラ呼吸の両方を行う魚です。
空気を吸いに水面に上がってきた瞬間を見逃さず、
かつボイルの奥1m以内に正確にルアーを投げ込まなければいけません。
これが想像以上に神経を使う釣りでして、
ボイルの目視からキャストまでそれこそコンマ何秒の世界で行わないと、トーマンは水中深く潜ってしまいルアーを認識しないのです。
瞬時の判断と正確なキャスティングが求められる、
非常に繊細な釣りだと思いました。
灼熱の太陽に焼かれながら、
いつ出るか分からないボイルを待ち、
出たと思ったらミスキャスト、、
こんなんを繰り返します。
失敗を繰り返しながら時刻は正午前後。
ボイルの奥に綺麗にキャストが決まり、クランクが水中に潜ってすぐのことでした。
ガンッ!!
これまでに体感したことのない乾いた、それでいて強烈なバイトを感じます。
きた!
と、思った瞬間物凄い力で引きずり込まれます。
XHのロッドを容赦なく曲げ、フルロックしたドラグが唸ります。
凄まじい引き。
首を振りつつ、湖底に潜っていく。
パワーファイト必至の戦いがしばらく続きます。
強引に引き剥がし、魚が浮いてきたと思ったら…
う、動かない…
どうやら漁師が仕掛けた網にルアーが引っ掛かってしまったようです。
目視するにそこまで深くないし、魚もついている。
悔しい。やっとの思いで掛けた魚、あと一歩及ばずだったかな…と思っていましたが、
ガイドを務めてくれたアディが必死に腕を伸ばし
キャッチ!顔の半分くらい水に浸かっていたような…
そんなこんなで
やりました!
みなさーん!これがトーマンですよー!!
虹色に輝く魚体に鋭い歯。
5kgクラスの憧れの魚にようやく出会えました。
決死のランディングをしてくれたアディ。
彼には感謝しかありません。
この日はこの一本のみ。
初日に見事リベンジを果たしました。
ん?リベンジ?
そう。
この3ヶ月前に一度チャレンジし、
無念のラインブレイクでボウズを食らったのはまた別の話。