鮪ノ岬でブリを釣りたい②
前回、トップに出たブリを痛恨のラインブレイクでバラし、さらにそこから4日間丸坊主を食らったお話をしました。
鮪ノ岬でブリを釣りたい① - 北海道でルアーにハマる三十路の冒険
ダメ元の釣行でしたが、可能性を感じてしまったら辞めるに辞められなくなりました。
まさに沼…!
「出そうだが、決して出さないのがこいつの特徴…!沼…人喰い沼だよこいつは…!」
そんな言葉が頭をぐるぐる巡ります。
これで完全に頭がおかしくなった僕は平日は仕事に勤しみ、次の週末…
降り立つ…!
再び…沼に…!
正確には磯なんですけど。
土曜日の朝まずめ。週末ということもあって磯は大盛況。20〜30人はいたでしょうか、さすがの人気ポイントです。
僕はというと前回のヒットの余韻に浸り、新たに購入したフィードポッパーを中心にトップから攻めます。
……
よし、ジグにしよう。
アホみたいに買い漁ったジグたちから選んだのは
撃投ジグアカキン40g。
ただ潮の流れが早く結構流されます。
このポイントは日によって右から左への流れ、左から右への流れと入れ替わっていくようです。
(どちらの流れの時の方が良いかは分かりません。)
40g程度だとかなり流され、思ったようにアクションしない印象です。
60gへと変えますが、それでも流されます。
…
異常なし!
日中は諦め、夕まずめに備えて車内で仮眠をとります。
さて、青物に関しては夕まずめの時間帯は特に重要か、と言われたら疑問視されています。
「朝まずめが一番、あとは潮の動き」というのが定説のようです。
その証拠に、夕まずめにもなると人はまばら。
朝とは打って変わって4〜5人が思い思いにルアーを投げ込んでいます。
平和だ。
しかしここで僕に事件が。
キャスト後、シャクっていると鳴り響く
異音!圧倒的違和感…!
竿先に目をやると、そこにあるはずのものがありません。
#3ガイド、欠落。
購入後、サクラマスやヒラメをあげ、さらにブリをヒットさせてくれた縁起の良い相棒、グリッサンド90の3番ガイド(ティップから数えて4つ目)が外れて虚しくカラカラと音を立てていました。
まじか。
このままやってやれんことはありませんが、これ以上負荷を掛けたくないのと、テンションが駄々下がりしたのでこの日は納竿。
ちなみにこの夕まずめでは1本良型のブリが上がっていました。
…
車中泊して迎えた翌朝、
相変わらず磯は大盛況です。
磯に等間隔に並ぶ男たち。(この日は何人かの釣りガールもいました)
一心不乱にルアーを投げまくっている光景は側から見たら異常な光景です。
でもそこにはロマンがあり、夢があり、皆んな少年(少女)のような純粋な気持ちで海と向かい合っているのです。是非とも温かい目で見守っていただきたい。
ここで、選手の交代をお知らせします。
全治2カ月半の重傷を負ったグリッサンド90に代わり
コローナ106
10ftを超えるロングベイトロッドです。
キャストウェイトは80gまで、磯からのロックフィッシュ/ワーム、ジグ用というバーサタイルとは言えない偏ったスペックです。
この釣行がデビュー戦。
リールはカルコンDC201HG、ラインは2号のファイヤーラインです。
とりあえず、40gのジグを付けて慎重に投げてみる
え
け、結構飛ぶぞ。
ベイトロッドでのショアジギングといえば
必ずと言っていいほど議題に上るのが高切れの問題と飛距離の問題です。
僕も何回振り切ったジグが遙か彼方に消えていったことか…ただ、投げ方さえ気を付ければ想像以上に快適に投げ続けることができます。
ポイントは色んなところで言われていますが7〜8割の力で投げること。
ちゃんと力が伝われば、ちゃんと飛んで行きます。
それこそスピニングに若干劣るくらいの飛距離を保つことも可能です。
ショアジギングにおいて、良くスピニングとベイトの比較がされていますが、僕個人としては
ドラグ性能、飛距離やトラブルレス性の面で圧倒的にスピニングが有利だと思います。
それでもああだこうだと無理やりメリットを挙げてベイトでのショアジギングを肯定するのはちょっと違うかなと。
ベイトロッドでショアジギングするメリットはただひとつ。
カッコいいから。
これじゃダメですか?好きな道具で好きな釣りをする、最高に面白いじゃないですか。
大分話が逸れましたが、
そんな超かっこいいタックルを手に、ジグやらプラグやらを投げ続けました。(時折スピニングにも持ち替えましたが)
日の出の時間を少し過ぎたあたりでしょうか。
40gの撃投ジグを着底させ30回しゃくり上げ、フォール。
そこから10回シャクった瞬間、
グンっ!
明らかな魚の反応、反射的にフッキングし
掛かった!
ブリならここからファーストラン…
って、走らない。
「掛かったけど、多分ヒラメですわ。」
と、お隣さんに謎の報告をする僕。
ブリだったら、もっと走っていいハズです。
しかしながらこの魚、めっちゃ重い。そして激しく首を振ります。
ヒラメだとしたら間違いなくモンスタークラスです。
初めてコローナで掛けた魚、絶対に逃す訳にはいきません。
時折ガン!ガン!とロッドを引きずり込むように抗う魚。
手前の根に入られないように慎重かつ大胆に寄せていきます。
あ。
ブリや!
ブリや!!
手前で身を翻した瞬間、銀色に輝く魚体が目に飛び込みます。
ヒラメとは一体何だったのでしょうか。
最後の抵抗で走り出すブリ。
なんとか抑え、
お隣さんがタモ入れしてくれて
勝負あり!
80cmジャスト、5.7kgのれっきとしたブリです。
貴重な朝まずめの時間帯にも関わらず、タモ入れしてくれた上に写真まで撮ったいただいたお隣さんには感謝感謝です。本当にありがたいことですよね。
ヒットルアーは撃投ジグ、シルバー(ゼブラ)でした。
こうして、【緊急企画】ブリが釣れたら帰ります。は幕を下ろしたのでした。
次はトップであげたいなー、なんてどんどん欲深くなっていくのは釣り人の性ですよね。
それにしても、コローナ106…恐ろしい子。
寄せてくるまでヒラメと思い込むほど強靭なロッドパワー。
ほとんど主導権をとられることなくあげられたことがこのタックルのポテンシャルを物語っています。
満足!