北海道でルアーにハマる三十路の冒険

ルアーフィッシングにのみ情熱を注ぐおっさんの物語です

高知でアカメを絶対に釣りたい

日本三大怪魚の中でも最も釣るのが難しいとも言われている「アカメ」

 

この魚に魅了された僕は去年2度に渡り延べ1週間ほど高知に滞在し、結果はノーヒットでした。

 

アカメを狙う上で苦労するのがその情報の少なさ。

 

アカメは高知県では「注目種」に指定されています。ざっくり言うと「絶滅するほどの危機的な状況じゃないけど、全国的にはレアだから皆んなで守っていこうね」ってこと。

 

地元の方々が誇りをもってアカメ釣りができる環境を守っているんです。

 

それ故にアングラーも「どこどこで釣れた」などの具体的な情報は積極的には発信しません。

人が殺到し、迷惑駐車などで近隣住民の方々に迷惑をかけるのを防ぐ意味合いもあります。

 

去年の遠征では地元釣具店や現地で出会った方たちからざっくりとポイントを教えてもらったり、Googleマップを見て開拓してみたり…試行錯誤しながらの釣行。

 

この海にあの怪魚がいて、もしかしたら自分のルアーに食いつくかも…なんて想像しながら投げ続けるだけでなんだか嬉しくて楽しい。

 

しかし釣れないんだな、これが。

 

泥水をすすり、夢の魚に出会うまで高知に通うと決め迎えた2020年夏。

7泊8日という通常では考えられない常軌を逸した日程を組み、完璧な準備のもと臨みます。

 

今回は友人とのふたり旅。(友人は3泊4日でした)

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写真は桂浜水族館にいるアカメたちです。

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前半3日間は沖の島という渡船で渡る磯での釣りや、ロックフィッシュを狙い漁港をランガンしました。

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僕の釣果は大きく見積もって15cmのカサゴのみ。

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…ま、まぁ狙いはアカメやし!

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こうして迎えた釣り旅4日目。友人との最後の夜。

 

僕のわがままでアカメ釣りをすることにしました。

 

夕まずめ、満潮からの下げを狙って去年も訪れていた浦戸湾のポイントに入ります。

平日ということもあって、先行者の姿はなく僕たちだけです。

 

 

 

 

て、なんか水面おかしくない?

 

小さなボラ(イナッコって言うんでしたっけ?)が群れをなして表層を泳いでいる、そこまではいいんです。

 

その数がエゲツない。

そして至る所でシーバスと思われるボイル、逃げ惑う小魚たち。

 

 

去年、一週間通しても見たことのなかった景色が目の前に広がっています。

 

急いで準備してふたりで投げはじめます。

 

…がしかし食わない。

 

なんでや!魚絶対おるやろ!!

 

 

 

小一時間経ったでしょうか、依然として至るところでボイル、異常なほど水面が騒がしい状態が続いています。

 

 

 

 

バシャン!

 

 

右隣で大きなボイル音。

目を向けると友人の足元で水柱が立っています。

 

「アカメや!」

友人のルアーを追いかけ、回収寸前で飛びついてきました。

 

 

しかしルアーには届かず。

呆然と立ち尽くす友人。

 

惜しかった。

 

 

でもアカメのスイッチ入ってるやん!

 

時は満ちたり。

 

ベイトの大きさにあわせてルアーを小さくしようと思い(それまでジョイクロ178投げてました)近くに停めてある車にルアーを取りに戻ります。

 

これで準備万端。

 

さて釣るー

 

「掛かった!!!!」

 

ポイントに戻る途中、友人の声が響き渡ります。

 

!!!!まじか!!

 

慌てて戻ると、そこには巨大なアカメが…!

 

のはずでしたが、ストラクチャーに巻かれテンションが抜けたのか、無念のフックアウト。

 

友人曰く「もの凄いスピードで走って、あっという間に巻かれた」とのこと。

 

僕が去年しこたま投げ続けてヒットすらなかったというのにこの男…1時間やそこらで2度もアカメとコンタクトとるとは…

 

 

うらやましい!!!

 

その後は互いにヒットはなく、日付が変わる前に中断。朝まずめ狙いに切り替えて休憩をとります。

 

午前4時過ぎ、再び同じポイントに入りなおします。

 

水面は相変わらず騒がしい、一晩中やってたんかコイツらは。

 

 

水面直下を意識して選んだのはメガバスのカゲロウ155Fのレッドヘッド。

フックはガマカツのトレブルSpH#4に強化しています。

 

キャスト後、デッドスローリトリーブでゆーっくり巻いていきます。

こういう時、ノーマルギアだと安定感ありますよね。買って良かったカルコンDC201。

 

しばらく投げても反応なし。

 

ここでなんの気まぐれか、キャスト後にトゥイッチを入れてみました。

 

クンッ…

 

クンッ…

 

 

クンッ…

 

 

 

 

バゴン!!!!

 

 

 

着水して3回ほどのトゥイッチでいきなり出た!

と思った瞬間、一気に走り出します。

 

アカメや!!!!

 

 

友人は少し離れた場所にいるため、大声で知らせます。

※僕らが入ったポイントは近くに住宅街はないのですが、深夜、早朝に大声を出すのは良くないです。すみません。

 

 

晩夏の浦戸湾に響くおっさんの声。

風流です。

 

そんなことを考える余裕もなく、

フルロックしたドラグが鳴り響きます。

 

ラインはPE3号、リーダーは80ポンド。

この瞬間のために十分な装備で挑んでいます。

 

ファーストランをなんとか抑え、徐々に寄せていきます。

 

その間も右に左にと怪魚は容赦なく走ります。

 

ある程度パワフルな引きは想像していましたが、それを遥かに越えるパワーとスピードです。

 

 

足元まで寄ってきたところで

 

 

ギラッ

 

 

 

水面を照らすライトに反射して赤い目が光ります。

 

「アカメだ、本当に赤いんだな。」

 

当たり前のことを呟く。

 

 

見た感じ、メーター級ではない。

「このサイズでこんなに引くのかよ。」

 

駆けつけた友人が撮ってくれていたムービーにはそんな僕の呟きが記録されていました。

 

 

足元での最後の抵抗、沖に向かって一直線に走る魚を抑え、ついに

 

 

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獲りました。

 

 

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83cm、重さは計りませんでした。

アカメのなかでは決して大きいとは言えませんが、

特別な83cmです。

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当たり前のことですが、最初の1匹ってもう二度と釣ることができないんですよね。

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僕が小学生の頃、初めて27cmのブラックバスを釣った時。当時は携帯もデジカメもなく、記録は残っていませんが母親にことの詳細を得意げに語りました。

 

あの頃と変わらず、30歳を越えても足は震えるし

めちゃくちゃに嬉しい。

 

 

ゆっくりと身を翻して湾に戻っていくアカメの姿を見ながら、あの日夢見た魚に出会えた感動を噛み締めていました。

 

アカメ釣り初日で十分過ぎる結果を残すことができました。

 

このあと、旅の後半にも色々とドラマがありましたが、それはまたの機会に。

 

↓タックルデータ

ROD:TULALA MONSTRUO 710 MOBILE 
REEL:SHIMANO CALCUTTA CONQUEST DC201
LURE:MEGABASS KAGEROU155F
LINE:VARIVAS CASTING PE #3
LEADER:VARIVAS OCEAN RECORD 80LB.